いよいよ「ドンキ」本番です・・・亜委です

昨年11月から振付を始めたバレエ団公演「ドン・キホーテ」。
まる4ヶ月間、全力で突っ走ってきました。

<写真は全てリハーサル>

「開演してしまえば、あっと言う間に終わりやねぇ…」
先日のリハーサル後に、団長がポツリとつぶやいた言葉です。

確かに、この公演にかけてきた時間を考えると、本番なんて一瞬で終わるようなものです。

これだけ必死に練習を重ねてきて、1回限りの本番じゃあもったいないと思うのは当然のこと。

完成度が高くなればなるほど、その思いは強くなります。

でも、1回しかない本番だからこそ、一点集中して全力で取り組めるともいえます。
私がロシアの国立ワガノワバレエ学校に留学していた時には、生徒証明書があれば無料でキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の5階席(1番上)で見ることができました。
留学当初は、世界最高峰のキーロフバレエ団を無料で見られるのが嬉しくて、全部見に行っていました。
3日間公演で中1日休演。

そんなローテーションで、古典から創作、そして、まだ出始めのコンテンポラリーまでバレエ三昧。

でも3ヶ月も通うと、すっかり「見飽きる」状態になってしまいました。
キーロフバレエ団の出演も、1軍が海外公演や遠征などで留守がちになると、当然2軍の出演が多くなるため、感動するような舞台が減ってきたのも一因です。
ただ2軍とはいえ、素晴らしい体型と美しいお顔。

普通だったら、感動できるはずなのに、良いものも見すぎてしまい、何も感じなくなっていく自分がこわかったですね。

その分、目が肥えたことは確かですが、初めてみたときの感動はもうできない!?のかと思うと少し寂しいです。

結局のところ、人間は贅沢なもので、毎日最高級のステーキを食べていたらご馳走とは思わなくなって、反対にご飯とお漬物が最高のご馳走に感じる生き物なんですよねー

・・・要は、どんなに刺激的なことでも、それが非日常から日常になると「飽きてしまう」!

そう思うと、当団の公演が1回公演なのが「ちょうど良い」んですよ!(無理やりこじつけてます^笑^)

もちろん、理想を言えば「ダブルキャストで2回公演」。

ダブルキャストなら、2回公演でも出演者が入れ替わるので、踊り手の気持ちも新鮮ですし、見る側にしても好きな主役やキャスティングの方を選べたり、両方見て比べる楽しみもできます。

そのためには団員が今の2倍(主役もソリスト級も)必要なので低くはないハードルですが、いつか実現したいと真剣に考えています。

いずれにしても、本番に出演者の気持ちがMAXにならなければ意味がありません。

ましてや、見る方(お客様)にとって肝心なのは、せっかく時間をかけて見に行く「1回」の出来栄え。

今回の出演者たちにも言っているのが、
「まず自分自身が感動するくらい、全身全霊で踊りなさい」ということです。

前回の「白鳥」のように全員の気持ちが一つになる「いい舞台」では、本当に鳥肌が立つほど感動しながら踊れるものです。

逆にこの状態にまで達しなければ、お客様の心を揺さぶることはできません。

今回の公演が最高の「いい舞台」になるように、残りのリハーサルにスパートをかけて、拍手でフェスティバルホールの壁がひび割れるくらいの「ドン・キホーテ」をご覧いただきたいと思います。

では、4月1日フェスティバルホールでお会いしましょう!


追伸

当日券はご用意していますが、S席は残少です。
事前のチケット予約は事務局で承っていますので、ぜひご利用ください。

本田道子バレエ団事務局:072ー291−8981